あんちしぇるた

極端を知ってても、その間にある部分を知らなければ対応できないこともある。
黒か白かで二項対立なんて、そんな簡単に全ての人間関係が形作られているわけじゃない。
中途半端を知り、相手ににじり寄る術を作り出すことで失望は減り、希望は増える。


「相手は、自分が何考えてるか分かっていない。」
それははっきりしている。何故なら自分の望む反応をしないから。
ならば、何故「相手は絶対こう思っている」と決められるのだろうか。


自分が行動を起こすまでに様々な逡巡を繰り返した経験があるなら分かると思う、
結果から過程を判断することはきわめて難しい。
結果から全ての思考過程を見極めることはほぼ不可能である。
相手の反応が、相手の思うことを表しているとは限らない。むしろ全く異なる事が大多数だろう。


人と話すってことは、相手に自分の意思を投射すること。
それは、相手の内面の一部分に影響することであり、つまり相手の精神的な防壁を多かれ少なかれ破ることになる。
特に相手の考えに反するような時は、破る範囲も大きくなるのだろう。
破ろうとした部分が無闇に大きいと取られればそれは攻撃になり、攻撃と受け取られれば拒絶が発生する。
そうやって僕は挫折する。
相手が攻撃だと受け取ったということは、それが傷だと感じさせることであり、それは更に傷を広げる。
それは僕が望むことではなく、しかし過程を抜きにすれば僕に起因すること。
だから僕はまた口をつぐみ、時たま独白しては消去する。