声無き思考

最近思った(気付いた)こと。
自分が今「考えてる」って思ってる時の「考え」の下に、なんかがある。思考が二層構造みたいになってる。
こんな感じ↓


「口に出したり書いたりしてること」 ←ここは他の人が知覚できる領域。
================================    ←ここが外界と頭の内部の境界。
「今頭の中で考えてること」     ←ここは俺がちゃんと知覚できる領域。一般の「思考」
================================
「なんかよく分からんの」       ←ほんとによく分からん。
================================


何が言いたいのか自分でも良く分からんけど、とにかく今自分が思ったことは、
「もっと底のほうにある『自分』が『思考』の内容を作って、今自分が『考えてる』状態になってる」
って表現すればいいんだろうか。うーんよくわからん。
とりあえず、この最下層のやつを『声無き思考』と呼ぶ。理由は後述。


具体例は・・・んー、例えば「心にもないことを『考える』」とか?
まあなんか俺の語彙が足りないんで語弊が生じるがそこらへんはフィーリングでお願いします。
逆説的ではあるわけだけど、実際にはだれでも可能。
例えば、俺には嫌いな奴がいるとしよう。でも、付き合い上嫌いなままではどうしても表面に負の感情が出てきてギクシャクしてしまう。だから、自分に「あいつはいいやつだ」と考えさせることにする。
この文章を読んでいる人にも実践してみてほしい。嫌いな人、物、何でもいいからそれを『頭の中で』肯定しようとする。この『しようとする』はなかなか重要。*1


さて、この時だ。
あなたの頭の中では、『あいつは嫌いじゃないよ!』と考えている。
でも、『嫌いじゃない、嫌いじゃない』と考えているそののようなところで、『やっぱ嫌いだよ』という思念がないだろうか?
ここでポイントは、

  • 思いこもうとしている最中にこの現象は顕著
  • いま考えていることの裏側にあるような感じがする

の二点。*2


まあとりあえず、これを感じられればステップ1。
で、もう一つ。
ここで、『思考』が一つ増えてる。

  • 「あいつは嫌いじゃないよ」と思い込ませようとしている思考
  • あいつは嫌いだ」という思考
  • そして、「その2つの思考がある」と観察している思考*3

この3つ目が重要。これこそが、今の俺の中での、真の「なんかよく分からんの」だ。
何故か。この『思考』は存在は認知できるけど、感知できない


自分が何を考えているかは、普通説明できるはずだ。
今の場合だったら、「あいつは嫌いだけど、嫌いじゃないと思い込もうとしている」と説明できる。
で、「2つの思考が存在する」と感知する、かつ説明するには、別の『思考』が必要。考えてなかったら感知できない。
つまり、ある『思考』を感知し、その状態を把握するためには、観察者たる別の『思考』が必要だ


でも、この3つ目は、自分でも何を考えてるのか分からない
つまり、この3つ目を感知する存在がこれ以上無い。観察者たる存在がいない。
これが、「なんかよくわからんの」だ。自分の思考なのに、何を考えてるか分からない。
奇妙だ。奇妙ではあるが、「把握するためには観察者が必要」という原理からすれば妥当だ。


だから、*4この『思考』は言語を持たない。
ただの思念とでも言うべきかよく分からない、『声無き思考』だ。


「からだがとっさに動く」とかいうのがあるだろう。
ああいうときは、この『声無き思考』が直で身体に働く時だと考えている。
だから、「自分では何を考えたか分からない」って状態になる。
そして、この『声無き思考』は比較的とても高速だ。(理由は下記参照。)しかも正直だ。偽ることは出来ない。
いわば『動物的本能』に似たものなのだろうか。*5
多くの動物には、『思考』と言うものが無く、『声無き思考』だけがあるとするなら、人間と動物の違いが分かると思う。


自分の思考を客観的に見ることが出来ない。自分が何を考えているのかが分からない。


これが、動物の『思考』=『本能』の実態だとしたら。
そして、それを進化させ、高次元化させたものが、人間が今現在普通に認知している『思考』=『動物より高次の思考』だとしたら。
そして、サルなどはこの『思考』の進化(高次化)の過程にあるとすれば。


人間は「本能が壊れた動物」と言われている。
あながち間違いではないだろう。
俺が定義するなら、「本能を凌駕する『思考』が形成された動物」かもしれない。
んでもって、「体が覚える」ってのは、高次化された思考をほとんど介さずに、『声無き思考』で動作をすることのような。
何故なら、今日今まで、高次化されたものは、複雑な事象を扱えるけど、その代わりロスが発生するから速度が遅くなり、最もシンプルなものが高速ってのが定説(?)だから。


若輩者の思想ではあるが、簡単に蹴らないでほしい。ただ、素直な意見がほしい。
もしこれが既出だったら… _| ̄|......○

---(2006/03/27 23:07 追記)
この記事についてのコメントはこちらにて。

*1:完全に洗脳しないように笑

*2:「はぁ!?全然そんなんないよ!」って人はすいません。俺の勘違いあるいは誤認識かもしれません。

*3:2つの思考が存在すると感知するには、思考が必要だ。考えてなかったら感知できない。

*4:つまり、何を考えているか『分からない』ということは、

*5:本能そのものである可能性も否定できない。