夢を見た。

今回は珍しく記憶に残っているので書き留めておくことにした。

化学教室。何故か俺は友人(誰かは分からない)となにやら実験を。どこをどうやったのか、ゴム栓が「ポーン」と飛んで、なにやら気体が発生。
他の友人は即座に逃げたが、近くにいた俺は直撃。凄まじい眠気に襲われ、そのまま倒れこむ。絵の具と鉄サビを混ぜたような臭いがした。
(ここから、「夢の中で見る夢」*1に入る)

どこかの町中。少し目に留まるのは、家並みの間が皆コンクリートの塀で仕切られており、高さは一様でなく、やっと上れるくらいの勾配がついている。平均して3mくらいの高さがある。
俺の隣には、少年。小学生くらいだろうか。どうやら、友達と遊ぶ約束をしたのだが、家がどこにあるのか分からないらしい。俺は手伝ってやることにした。
コンクリート塀を上り、より高い塀へと移っていく。一番高いところでは風が強く、コンクリート塀に跨るようにして安定を取る。
少年に家の特徴を聞くと、「茅葺みたいな屋根」とのこと。「みたいな」に少々引っかかったが、見回してみると正面より若干右のほうにその独特の色がぽつんと見えた。
塀を目で辿ると、どうやらつながっていて、他の塀に飛び移らなくても良いらしい。少年についてくるよう言った後、塀を走っていく。何故かだんだん歩が早くなる。
目的地の入り口側の塀に到着し、「速過ぎたか」と思いきや、すぐ下に少年が。驚いていたが、よく見ると少年の様子がおかしい。入り口の方向を見て、「お兄ちゃん、やばいよ。」と言う。
俺は首を傾げ、塀をつたって屋根の上へ。すると、よく見るとそれは茅葺の色・形をしてはいるが、全く別の物質で出来ていた。光沢を放ってすらいる。
下の様子を伺うが、何も物音は聞こえない。少年の方を見ると、中を凝視したままで、声をかけると、びくっと我に返って走り去った。後を追う俺。
追いつこうとするが、近づくたびにこちらを見てはスピードを上げる。何度か繰り返しているうちに、少年は、俺ではなく俺の後ろを見て怯えていることに気付く。途端に、後ろからの得体の知れないプレッシャーが発生する。そして、発生したのではなく、気付かなかったということに気付く。
走る。走る。走る。もう、前方に少年はいない。常人とかけ離れたスピードで走り去ってしまった。残されたのは、走る俺と、後ろの得体の知れない恐怖。
ふと、前方を見ると、崖になっている。そこから見えるのは都会の風景。高層ビルが建ち並ぶ。そして、中央にはひときわ高いビルが。
その風景を見ている間に、崖は迫ってくる。際で、俺は踏みとどまった。崖下からの風が前髪を吹き上げる。
そして。後ろのプレッシャーは最大限に達し。

目が覚めた。ベッドの上。ただ、体が動かない。言うなれば半覚醒状態のときの、あの「金縛り」のような感じだ。ただ、いつもなら少し頑張って身体を動かそうとしていれば解けるのだが、うまくいかない。ただ、体が若干左右に揺れるのみ。
女性が視界に入る。そして、俺が組成不明の薬品を大量に吸い込み、中毒症状に陥ってしまったこと、そして解毒成分も見つからなければ、その薬品を摂取しないと永遠に寝たままになってしまうと言う。しかも、ただ寝たきりなだけではなく、不随意筋の活動も鈍るため、常に微量でもいいのでその物質を投与していなければ命に危険が生じるため、現在は事故現場(つまり化学教室)から化学班*2が採取したある程度の量の薬品で俺は生きながらえていると言う。
そして今は、少し多めに投与したため、半覚醒状態まで回復したが、本当に微量多くしただけであって、もうすぐ眠くなるだろうが、こちらは精一杯薬品の分析をするので安心して欲しい、と告げた。
俺は一息ついたのもつかの間、眠気が襲ってきた。すると、あのプレッシャーが何故か、背後、つまりベッドの下から湧き起こるように感じた。
「いやだ、あの世界には行きたくない!」必死で抵抗するが、女性は「大丈夫、安心して」とのみ言う。事情を知らずに。
そして、俺はまたあの世界へ。

今度は、俺はトラックの助手席に乗っていた。そして、高速道路をひたすら走っていた。背後のプレッシャーは強くなるばかりだった。俺は恐怖に駆られた。
「お願い、もうちょっとアクセル踏んで!」右を見ると、そこには人がいなかった。ハンドルすらなかった。ただ、アクセルとブレーキがあるだけだった。
俺に迷っている暇はなかった。即座に運転席に移り、アクセルを力いっぱい踏み込み、トラックは速度を増す。プレッシャーは遠のく。一息つく。
と、そこで緩やかなカーブ。危ない、と思ったがハンドルは無い。と、トラックは緩やかにカーブに沿って走った。しかし、もう少しのところで路肩に接触するところだった。もう少し速過ぎたらぶつかっていただろう。
そして、目の前には急なカーブ。到底曲がりきれそうに無い。あわててブレーキを踏む。
しかし。急激に増大する背後の影。アクセルを踏まずにはいられなかった。
そして。目の前にはフェンスが迫る。激突。車体が金網とぶつかりと火花が散るのが一瞬見えた。そして、表現できない恐怖。
「嫌だ!つかまりたくない!嫌だ!」そう思ったとき、俺を呼ぶ声。そして、

また目が覚めた。今度は少しばかり様子が違った。驚く女性の顔と、「増やしていないのに…」の音声。そして、友人の顔がいくつか。
友人は俺を見て、「聞こえるか」と言った。俺がやっとのことで動いたか分からないほどの動作でうなずくと、「俺はお前を治すために医者になる。待ってろよ」と言う。
そこで俺は何故か、「いや、俺を治すのは俺だ。俺が医者になる」と思った。そして、前回よりも激しく、半覚醒の状態に抵抗し始めた。背後など関係なかった。ただ、この状態は非常に嫌いだった。あの世界に行くよりも。そう思ったとき、腕の「金縛り」が若干緩んだ。俺はそこに重点を移し、更にあがいた。そして。
全身の金縛りが一気に解けた。
俺はベッドから起き上がった。皆、驚きの表情を浮かべていた。俺は一人、満面の笑みを浮かべていた。背後には自信が残った。
そして、

本当に目が覚めた。訳が分からない夢だった。しかし、かなり鮮明に覚えていた。親に聞いたところ、寝言は全く言ってなかったらしい。俺は、これを記録に残そうと、顔を洗った後、パソコンに向かった。

*1:まれに見る。

*2:何なんだかよく分からん。