ほのぼの

「ねーお母さん」
「なーに?」
「何で勉強しなきゃいけないの?」
「それはね、学力を上げるためよ」
「何で学力を上げないといけないの?」
「会社とか学校は頭のいい生徒を取りたいでしょ」
「うん、そうしたら競争に勝ち残れるしね、弱肉強食」
「で、人間って多いでしょ」
「うん、日本だけでも約1億3000万人いるしね」
「いい企業や学校には入りたい人も多いの。でも一人一人の頭の良さを逐一判定している時間はないのよ」
「面倒くさいともいうね」
「だから、『学力』っていう統一基準を考え出したって訳」
「ふうん」
「これだと、本当に優秀な人材は学力も高いから、選考に漏れないのよ」
「漏れてしまう人がいてもそれはごく僅か、ってことかぁ。確かに効率がいいね」
「だから、まーくんも権力を使って甘い汁を吸いたかったら、精一杯勉強しなさい」
「うん、僕搾取する側に立つよ!」